『第九 An die Freude(歓喜の歌)』へのつぶやき: 迎春にふさわしい響き・・・第3楽章 「究極の天国」への誘い : 2022年1月1日
穏やかに 2022年の幕が開いた。
寒々とした朝に、神々しい朝日が昇る!
希望への誘いだ!!
コンサートステージ上に、合唱団員も揃い、第3楽章へと進む。第1楽章では昂した心が躍動し、第2楽章に入ると更に昂揚し、興奮した自分がいる。
だが第3楽章に入ると、ガラッと雰囲気は一転。騒々しいというか、世俗的というか、そんな地上から解き放されて、天上の静寂で広大な花園に急に躍り出たとうい感じである。
乱れた心を一新するかの如く、静かに体の隅々まで神々しい響きが浸透してゆく。
心拍数が100以上の状態から、70位の落ち着いた環境に自分は立たされた。
流れるような美しい音楽が奏でられている天上の世界。
自分は、花園の空中を蝶のように、しなやかにそして優雅に舞い遊ぶ。
まさしく、『究極の天国』である。
後半には、とても難しいと思える「ホルン」のソロがあり、「ホルン」ソロ演奏者にとって、緊張の瞬間である。『第9』の成功の鍵は、この「ホルン」ソロにもかかっている、と言ってもいいだろう。
とても柔らかく響きある音色を求められる。だって『究極の天国』だから。
第3楽章に対する指揮者の捉え方は、それぞれ異なる。
私が参加した『第九』の指揮者の先生は、大体 ♩=60 位(時計と同じくらい)である。
つまり、天上で歌う位なテンポである。
しかし、持っているCDでバーンスタインや、高名なフルトヴェングラーはとっても遅いテンポで、“天上で静かに心落ち着かせるテンポ”である。
心の奥底まで見透かされているかの如く、響きが僕を包み込んだゆく・・・