岡崎フロイデ男声合唱団 公認ブログ

愛知県岡崎市を中心に活動をしている男声合唱団です。

 『第九 An die Freude(歓喜の歌)』へのつぶやき (No.3)  ベートーヴェン生誕250年メモリアル・イヤー・・・ 新年を讃える曲(希望の光に溢れた年に!): 2020.12.26 号

年の瀬よりも「新年」がよく似合う。激動から穏やかな世の中に・・・

 

〇 なぜ年末に『第九』を演奏するかって?
 黒柳徹子さんも言っていたが、どうも年の瀬(12月)に『第九』を演奏するのは、N響が1940年代に団員の給料・・・生活のために始まったとのこと。つまり『第九を演奏すれば必ず客が入る曲』であるということである。
 なぜ「客が入る」か?といえば、オーケストラはプロであるので、チケットを売るにも限界があるが、合唱団はアマチュアであるので、必死にチケットを売る、ということである。
 それは、”正解”のようである。
 「第九をうたう会」はチケットの販売状況の把握に四苦八苦。
チケットの販売数が、運営の根幹であるから、いかなる手段を講じても黒字にしなくてはならない使命がある。プログラムの広告代とか協賛金とかの方法でチケット販売以外からも収入を図らねばならない。

“第九チケットは、主催の各地の第九をうたう会が必死のチケット販売をしている”。だから、オーケストラの団員さんたちは、大船に乗った気分でいられるのである。

だが、今年は新型コロナウイルス感染の影響で、「2020年の第九コンサート」の殆どが中止或いは観客を半分以下にして開催せざるを得ない世の中になってしまった。

このような事態は、全く過去とは逆の世情を作り出している。オーケストラの団員さんやソリストの歌い手の皆さんはプロフェショナルなので、コンサートが開催されないと、収入の道が閉ざされ生活にも困ってしまう事態である。しかし、合唱団員はアマチュアであり、飽く迄趣味の合唱であるので、開催されないことは、日常のライフサイクルに異常というか変化を来すが、日々の生活には困ることは無いであろう。(働いている仕事にコロナの影響がなければ。)


 12月に日本各地で演奏される「第九コンサート」は、凡そ200回もあるようだ。1日当たりに換算すると7ステージ全国のどこかで「第九コンサート」は行われている計算になる。
 また N響はもう500回近く「第九」を演奏しているとか。
 大晦日に演奏するN響の第九はしっかりと定着してしまった。

 

◎今年は“ベートーヴェン生誕250年のメモリアル・イヤー

NHK交響楽団によるコンサートが、12月31日午後8時からEテレにて放映されます。

世界の人々が困難に遭遇している現状を顧みるとき、新しい年を迎えるにあたり難関を突破し、豊かで明るい社会を取り戻すことを祈念し聴くことにしようではないか。

第4楽章のドイツの詩人シラーの原詩は、ベートーヴェンが作曲によりさらに、人類愛を壮大なスケールを訴えている。そして、聴く者も歌う者も美しい調べに身を任せるのである。
 外山雄三先生の指揮にて10年間歌わせていただいたが、先生の手記に綴られた言葉の記憶が、もう40年近く経った今でもはっきりと覚えているので紹介します。
『・・音楽作品として「第九」ほど奥深く、豊かなものは他には考えられないのではないか、と私は考える。 その第4楽章に用いられている言葉の内容を要約すると「自由、平等、連帯があってこそ、本当の平和がある」というものだと理解している。(後略)・・・・・・』
 

合唱団はドイツ語で歌っているが、シラーとベートーヴェンが伝えようとする真意は、訳詩をよく理解すれば、『第九』が新年に最もふさわしい曲であることがお分かりになると思う。

Seid umschlungen, Millionen!/抱きあえ、幾百万の人々よ